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2015年度 内藤記念科学振興賞
内藤記念科学振興賞に
東京大学 分子細胞生物学研究所 教授 渡邊 嘉典先生
内藤記念科学振興財団(理事長:内藤 晴夫)は、このたび開催されました理事会において、
東京大学 分子細胞生物学研究所 教授 渡邊 嘉典先生に「第47回(2015年度)内藤記念科学振興賞」を贈呈することを決定いたしました。
受賞者には、賞状、金メダルのほか、副賞1,000万円が贈られます。
贈呈式は、3月16日(水) 午後3時30分より、日本工業倶楽部大会堂にて行なわれます。
受賞対象研究内容及びご略歴
渡邊 嘉典先生
受賞対象研究内容
テーマ:『体細胞分裂と減数分裂における染色体の方向を決める分子機構』
染色体は生命の遺伝物質であるゲノムDNAを包含する構造体であり、生命体の複製にともない正確に伝承されることが必須である。受賞者は細胞分裂における染色体分配の方向を決定する分子機構の解明に一貫して取り組み目覚ましい成果を挙げてきた。複製したゲノムを反対方向へ分配する(均等分裂)か同じ方向へ運ぶ(還元分裂)かを決める機構について、染色体接着因子コヒーシン分子群が決定的な働きをしていることを見出した。さらに、還元分裂のときに動原体を同じ向きに方向づけさせる新規動原体タンパク質Meikinを発見し、「コヒーシン接着による動原体方向性制御モデル」を提唱し証明した。また、コヒーシンを守る因子として、すべての生物に保存されたシュゴシン(Shugoshin)を発見した。また、シュゴシンが、生殖細胞の染色体分配の必須因子として機能するのみならず、体細胞の染色体分配にも重要な役割を果たしていることを解明した。特に、がん由来の染色体不安定性を示す細胞株の多くで、シュゴシンに異変があることを見いだし、その異変を引き起こす分子機構も明らかにした。これにより、制がん剤の開発に新たな方向性を与えた。
略歴
- 勤務先:
- 東京大学 分子細胞生物学研究所 染色体動態研究分野
〒113-0032 東京都文京区弥生1-1-1
- 東京大学 分子細胞生物学研究所 染色体動態研究分野
- 学 歴:
- 1984年
- 東京大学理学部生物化学科卒業
- 1986年
- 東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻修士課程修了
- 1989年
- 理学博士 東京大学
- 職 歴:
- 1989年
- 日本学術振興会 特別研究員(東京大学医科学研究所)
- 1990年
- 東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻 助手
- 1998年
- 東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻 助教授
- 2004年
- 東京大学分子細胞生物学研究所染色体動態研究分野 教授
- (兼任)
- 1996年~1998年
- 英国王立がん研究所(ICRF)客員研究員
- 1999年~2002年
- 科学技術振興事業団「さきがけ研究21」
- 2002年~2006年
- 科学技術振興機構「SORST」
- 受賞歴:
- 2006年
- 日本学術振興会賞
- 2006年
- 日本学士院学術奨励賞
- 2008年
- 木原記念財団学術賞
- 2010年
- 井上学術賞
- 2011年
- 上原賞
- 2015年
- 武田医学賞
- 2016年
- 朝日賞
- 所属学会:
- 日本分子生物学会
The Molecular Biology Society of Japan
- 日本分子生物学会