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2017年度 内藤記念科学振興賞
内藤記念科学振興賞に
京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 教授 影山 龍一郎先生
内藤記念科学振興財団(理事長:内藤 晴夫)は、このたび開催されました理事会において、
京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 教授 影山 龍一郎先生に「第49回(2017年度)
内藤記念科学振興賞」を贈呈することを決定いたしました。
受賞者には、賞状、金メダルのほか、副賞1,000万円が贈られます。
贈呈式は、3月20日(火)午後3時30分より、日本工業倶楽部大会堂にて執り行われます。
受賞対象研究内容及びご略歴
影山 龍一郎先生
受賞対象研究内容
テーマ:『神経幹細胞の増殖と分化の制御機構の解明と制御技術の開発』
神経幹細胞は、盛んに増殖しながら多様な細胞を生み出し、脳を形成します。影山博士は、それまで不明であった哺乳動物の神経発生を制御する分化決定因子群の実体と機能を世界に先駆けて明らかにしました。特に、分化決定因子であるプロニューラル因子群やHes因子群を発見し、両者間の拮抗的作用によって神経幹細胞の増殖およびニューロンやグリア細胞の分化が制御されることを示しました。さらに、分化決定因子は発現動態を変えることで相反する機能を発揮することを見つけ、遺伝子機能における発現動態の重要性に関する原理を初めて明らかにしました。この検証実験において、光遺伝学的手法で遺伝子発現動態を自在に制御する技術を開発し、青色光の照射パターンを変えるだけで神経幹細胞の増殖やニューロン分化を制御できる技術を確立しました。成体期にも神経幹細胞は残っていますが、大部分は増殖能やニューロン産生能を失っています。新たに開発した光遺伝学的技術は、将来の脳・神経再生に向けた技術基盤になると期待されています。これらの研究成果は、神経発生に関する国内外の研究を先導するもので、国際的にも高い評価を得ています。
略歴
- 勤務先:
- 京都大学 ウイルス・再生医科学研究所
〒606-8507 京都府京都市左京区聖護院川原町53
- 京都大学 ウイルス・再生医科学研究所
- 学 歴:
- 1982年
- 京都大学医学部卒業
- 1986年
- 京都大学大学院医学研究科博士課程修了
- 職 歴:
- 1986年~1989年
- 米国国立癌研究所 客員研究員
- 1989年
- 京都大学医学部附属免疫研究施設 助手
- 1991年
- 同 助教授
- 1995年
- 京都大学医学研究科生体情報科学講座 助教授
- 1997年~現在
- 京都大学ウイルス研究所(2016年10月京都大学ウイルス・再生医科学研究所に改組) 教授
- 1998年~2003年
- 未来開拓学術研究 プロジェクトリーダー
- 2002年~2005年
- 奈良先端科学技術大学院大学 教授 兼任
- 2006年~2010年
- 京都大学ウイルス研究所 所長
- 2006年~2018年
- JST/CREST 研究代表
- 2013年~現在
- 京都大学物質―細胞統合システム拠点 副拠点長 併任
- 2016年~現在
- 新学術領域研究「脳構築の時計と場」 領域代表
- 2016年~現在
- JST/CREST「オプトバイオ」研究総括
- 2017年~現在
- AMED/CREST 研究代表
- 受賞歴:
- 1994年
- 日本生化学会奨励賞
- 2015年
- 文部科学大臣表彰 科学技術賞研究部門
- 2016年
- 時実利彦記念賞